ビジネスを成功させる秘訣は論語にある。日本実業界の父が語る必読の名著。
道徳と経営は合一すべきである。日本実業界の父、渋沢栄一が、後進の企業家を育成するために、経営哲学を語った談話録。論語の精神に基づいた道義に則った商売をし、儲けた利益は、みなの幸せのために使う。維新以来、日本に世界と比肩できる近代の実業界を育てあげた渋沢の成功の秘訣は、論語にあった。
企業モラルが問われる今、経営と社会貢献の均衡を問い直す不滅のバイブルというべき必読の名著。解説・加地伸行
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読んだ感想
100年以上経っても色あせない言葉
明治から昭和にかけて活躍した「日本実業界の父」、「日本資本主義の父」こと渋沢栄一の講演をまとめたビジネス書である。この本には主に、世の中の役に立つ人間になるにはどうしたらよいか、働いて得たお金はいかにして使うべきかという内容が記されている。文章の流れとしては中国古代の書、『論語』にある文言を参照しながら明治維新後の発展期の日本人に正しい資本主義のあり方を説いている。
この本でお金についての本質が記されていて、すなわち、お金は個人の力だけで無く社会全体の力によって稼がせてもらったものなのだから、社会に還元することこそが結局社会だけでは無く自分のためになるということを主張している。
これは節税だとか、タックスヘイブンへの資金流出などが騒がれる現代社会でも全く手本にすべき指針であると思う。富を独占せずに事業を興したい物に貸したり慈善活動に投じたりした著者の生き様が如実に表れているビジネス書と言える。
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